明治維新は成功か失敗か
目的を達成したか否かが成功か失敗かの判断基準となる。
では、明治維新の目的とはなんだったのか?
明治政府を成立させた者達が幕末に掲げていたスローガンや行動から目的を拾い出すと以下のものが挙げられる。
①政権奪取
②倒幕
③攘夷(外国勢力の排斥)
④尊皇
明治政府成立後の動きから、優先順位の高いと思われる順に記載した。
①の政権奪取と②の倒幕はほぼセットと言える。
この2つは明治天皇の身柄を押さえ、勅旨と錦旗を偽造する事で成し遂げた。
肝心要の筈の③と④については、
③の攘夷は整形奪取前に実際に戦火を交えて無理を悟り、すぐの実行は諦めた。
外国に支配されない為に国力を高めるという江戸幕府と同じ路線を採り、外国との交流を継続した。これは結局は外国に対抗することが目的という理屈で「大攘夷」と名付けられた。
しかし実際には、大隈達を始めとする政府高官は西洋礼賛主義に走り、日本の文物は古臭くて遅れており、西洋の文物が新しく素晴らしいものという現在まで続く考え方を産み出し広めてしまった。
西洋礼賛に陥り、日本古来のものを否定した時点で、土地を外国から守ろうと攘夷は失敗と言える。
そもそも孝明天皇が恐れていたのは正にそれである。
④については、王政復古の大号令を出したものの、明治天皇に実権はなく、明治維新の立役者達が好き勝手に政を行った。
自分達の考えを勝手に天皇の意志としてしまう事が尊皇と言えるかと言われれば、明らかに言えないであろう。
つまり、尊皇についても達成できていない。
明治政府を樹立した者達にとっては、重要な事は成し遂げられたので成功と言えるだろう。
しかし多くの日本人にとっては、③④の方が重要だったのではないかと思う。
その視点で見れば明治維新は失敗である。
成功か失敗かは立場によるが、私としては外国の支配を受けない事に重点を置く。
実は、日本は明治維新以来ずっとこの目標は達成できていない(西洋が優れているという考えに支配されている)ので、大失敗と言える。